
- 認知行動療法学部門
教授 - 大島 郁葉
- ご寄付の特典
- 本プロジェクトへのご寄付には千葉大みらい医療基金の寄付特典が適用されます。
本基金へのご寄付には、税法上の優遇措置が適用されます。個人では(所得控除) / 法人では(全額が損金算入)
本基金へのご寄付には、税法上の優遇措置が適用されます。個人では(所得控除) / 法人では(全額が損金算入)
これまで「自閉症」や「広汎性発達障害」、「アスペルガー症候群」などそれぞれの名称で呼ばれていた発達障害の疾患を、まとめて「自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder:ASD)」と表現するようになりました。「対人関係の困難さ」という、人付き合いが苦手だったり、コミュニケーションを取ることが難しかったりする特徴や、「限定的・反復的行動」という、こだわりが強く一つのものに執着したり同じことを繰り返したりする特徴があります。
診断がつかないまま大人になることで、周囲の配慮もないまま根性でがむしゃらに頑張ってきて、人生に傷ついている人がたくさんいます。差別されることが怖くて発達障害とはいえずに普通の人として頑張って毎日乗り切り、疲れ果てて過剰適応している、本当につらい生活を送っている人もいます。
もちろん、診断されることがすべてではありません。しかし、正しいプロセスで診断することで“ホッとする”人が多いのも事実です。「発達障害特性」と「障害」は別です。正しく「発達の特性」を理解し、生活上で起きる「障害」を取り除くことで、幸福な生活を送っている発達障害の人はたくさんいます。私たちは、このように診断の価値を最大限に高める治療プロジェクト、ACAT(Aware and Care for my Autistic Traits)を立ち上げました。「あなたの発達障害について調べ、気づいて、ケアしていこう!社会からケアもしてもらおう!」という、診断によって得られた「発達障害」についてじっくり話し合い理解を深めていく新しい発達障害の治療プロジェクトです。
私が発達障害の研究に携わったのは、発達障害を始めとするマイノリティの人権がなさすぎることに疑問を感じたことがきっかけです。権利があるようでない人が多いのが現状です。発達障害を診断しても仕方ないとか、時には診断をごまかされたり、そうすることでご本人が自身の特性を受容できないまま、発達障害に合わない環境に身を置き続け、失敗するたびに、「自分の努力がたりない」と勘違いし、傷つき、辛い思いをしている人がたくさんいます。社会がもっと発達障害の人の価値やニーズに寄り添って、人権が保障されるべきだと考えています。例えば学校では、感覚過敏のせいでまぶしいのにサングラスかけさせてもらえないとか、感覚過敏による偏食にもかかわらず,教育という名のもとで,給食で嫌いなものを無理やり食べさせられるといったこともあります。「皆と同じが素敵」という不平等な教育でマイノリティの権利を奪って劣等感を植え付けるのではなく、マジョリティ(定型発達者)のみならず、マイノリティ(発達障害者)も、あらゆる場面において、同等の権利を持つことが幸せと相関すると考えています。それをするのが研究者、そして臨床家である私の使命であると感じています。
発達障害は疾患という観点で見られがちで、「治らない」からと研究対象として公的研究資金を得ることが難しいのが現状です。もちろん発達障害の神経系などバイオロジカルな研究や、いわゆる“友達を作ろうプロジェクト”のような、普通の人っぽくなろうというイベント的なものに対する資金援助はよくありますが、私が大切だと思っている「発達障害のまま生きていくプロセス」の研究にたいしてはまだまだ日本ではスポットが当たらず、研究費が不足しております。私たちが作成した発達障害の治療プロジェクト「ACAT」はこれからも研究を重ねていきたいと考えております。そのためには多くの方に研究プロジェクトに参加していただく必要がありますが、研究資金がなく、現状では非常に少ない限られた人しか参加することができません。
皆様からの心温まるご寄付を活用し、より多くの人にACATの研究プロジェクトにご参加いただき、治療法を確立して多くの発達障害で悩む方を幸せにしていきたいと考えております。ご支援、ご協力の程、何卒宜しくお願い申し上げます。
このプロジェクトをご支援頂けます場合は、お申し込み時に「子どものこころの発達教育研究センター or 大島 郁葉」とお申込フォームまたは専用払込用紙にご入力・ご記入ください。