千葉大みらい医療基金

子どものこころの発達教育研究支援プロジェクト
-将来の日本を担う子どもたちの健やかな成長を目指して-

清水 栄司
認知行動生理学 教授
子どものこころの発達教育研究センター
センター長
清水 栄司
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日本の子どもたちのこころの健やかな発達を守るために

精神的幸福度が低い日本の子どもの心のひずみ

2020年の先進国の子どもの幸福度を調査したユニセフ報告書「レポートカー16」では、日本の子どもの身体の健康は、子どもの死亡率、肥満率が低いことから、世界1位でしたが、精神的幸福度は38か国中37位と下から2番目でした。生活満足度が高い子どもの割合が低く、自殺率が高いためです。

日本の子どもの精神的幸福度を高める必要があります。情報化社会で直面する最大の課題は、「孤立や孤独に敏感な子どものこころを専門家のサポートのもと、暖かく健やかに守り育てる」ことです。しかし、デジタルネイティブな、子どもの脳とこころは、膨大な情報量を受け取るストレスの一方で、人と人のつながりが希薄になってしまい、きわめて深刻な危機にさらされています。

情報ストレスと人のぬくもりの不足に由来する、様々なメンタル不調につながる、こころのひずみが問題となっています。残念ながら、日本では、コロナ禍で対面での交流の抑制から、青少年のストレスと自殺者数の増加を防ぐことができませんでした。欧米に比べて、日本の医療、保健福祉、学校、地域などに、子どものメンタル面をケアするための熟練した心理学・精神科学の専門家が非常に不足しています。うつ病、不安症、強迫症、摂食障害などの精神疾患、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症等の発達障害による生きづらさを抱えて、苦悩している子どもが、相談機関や医療機関にかかることなく、見過ごされています。虐待、いじめ、ハラスメント、家族の介護で自分の時間をとることができないヤングケアラーや貧困の問題が社会問題になっています。

専門的なメンタルケアは、時間をかけて提供するものであって、薬だけですぐに治すことはできません。メンタルケアの精神療法・心理療法の中で、エビデンスに基づいた“認知行動療法”は、英国では、国家プロジェクトとして普及が推進されています。考え方(認知)と行動と感情の悪循環をバランスがとれた好循環に適切に変容させることで、症状の緩和や生活上の不適応を改善させる治療法です。

認知行動療法をより多くの子どもたちに受けていただきたい

日本でも、私たちは、多くの子どもたちに、熟練した専門家による、質の高い認知行動療法を提供したいと考えております。そのためには認知行動療法のエビデンスを蓄積し、その効果を検証していく必要があります。しかし、それには多くの患者様のご協力が必要です。欧米に比べて、現状の国からの非常に限られた研究予算では、十分な認知行動療法の実践と研究の体制を構築できない状況です。研究費を今以上に自由に活用できるだけで、多くの患者様に認知行動療法の研究にご参加いただき、治療をお受けいただくことが可能となります。

日本の将来を担う子どもたちの健やかな心の発達のため、我々は認知行動療法を脳科学、心理学、精神医学、教育学、情報科学など、学問の枠組みを超えて横断的に研究し、エビデンス構築に努め、多くの子ども達がこの治療を受けられる社会を創成する義務があります。

是非とも、皆様の御篤志にもとづくご支援を賜りたく、切にお願いする次第です。何卒宜しくお願い申し上げます。

当センターでは、①子どもの認知行動療法の効果やメカニズムを脳機能から解明する研究②学校での不適応や心身の問題が生じないようにするための予防プログラムの開発研究③発達障害を理解し、二次的な症状が生じないよう幸福な生活を目指す認知行動療法ACATの開発などを精力的に行っております。以下にご紹介させていただきますので、是非ともご覧いただき、個別の研究への御支援もご検討頂けますと幸甚です。皆様からの御支援、御高配を賜りますよう、お願い申し上げます。

子どものこころの発達教育研究センターでの研究を紹介します。

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