千葉大みらい医療基金

子どものこころの発達教育研究支援プロジェクト
-将来の日本を担う子どもたちの健やかな成長を目指して-

平野 好幸
認知行動脳科学部門
認知行動脳科学 教授
副センター長
平野 好幸
ご寄付の特典
本プロジェクトへのご寄付には千葉大みらい医療基金の寄付特典が適用されます。

寄付をする

本基金へのご寄付には、税法上の優遇措置が適用されます。個人では(所得控除) / 法人では(全額が損金算入)

子どものメンタルヘルスを守るための安心・安全な検査開発

心理療法で起きる脳内の変化を「見える化」する!

子どもの精神疾患の治療は、言葉の発達などの観点からメンタルヘルスの状態を客観的に把握し、治療方針を立てることが難しいことがあります。また、子どもたちは長時間にわたる検査や、痛みを伴う検査を行うことも難しいため、なるべく身体的、精神的負担を与えない非侵襲的手法による検査法と、副作用を引き起こす可能性のある薬物療法に頼らない治療法が求められています。このような状況下で、「認知行動療法」と呼ばれる心理療法は有効性も確認され、大きく期待されています。しかしながら、“どうして良くなるのか”、脳の神経回路にどのような影響を与えているかはハッキリとは分かっていません。

このような背景から、私たちは「子供のための非侵襲的検査の開発」および「脳画像検査を用いた認知行動療法の作用機序の解明」のために機能的MRI(fMRI)、形態学的MRI、拡散テンソル画像(DTI)、脳波、注視点検出装置、および認知機能検査などの非侵襲的な脳機能計測法を用いて、精神疾患において出現する脳機能の変化と、脳神経回路における影響を調べています。

現在行っている代表的な研究

強迫症という強迫観念とそれにともなう強迫行為が繰り返される精神疾患があります。自閉スペクトラム症に併発されやすい疾患としても知られており、強迫症の病態の仕組みを理解するためには自閉スペクトラム症の併存の有無、自閉スペクトラム傾向や症状特性との関連性を検討することが重要と考えています。我々は子どもと大人のMRI撮像を行い、強迫症の方の自閉スペクトラム傾向や症状との関連性、認知行動療法の治療抵抗性の仕組みを調べています。

MRIによる脳画像研究を、強迫症、社交不安症(リスク者含)、摂食障害(拒食症、過食症)等で進めています。

また、社交不安症という主に対人関係場面における強い不安・緊張が特徴で、社会的状況を回避してしまうために社会生活に支障をきたす精神疾患がありますが、不安障害、うつ病をはじめとした多くの併存疾患をもつことが知られています。

注視点検出により、社交不安症の視線トレーニングや、発達障害の影響を調べています。

治療は主に薬物療法により行われますが、認知行動療法も同程度の効果を示すことが知られています。しかし、認知行動療法の効果を神経生物学的に確認した研究は多くありません。我々は、MRIや認知機能検査を用いて社交不安症の方の恐怖の神経回路の変化と認知行動療法の脳神経回路へ与える影響を調べています。

このように、様々な精神疾患で認知行動療法は薬物療法とほぼ同等の成果があることが分かっていますが、“どうして良くなるのか”が分かっていないことが多いのが現状です。それを、客観的な検査法で定量的に解明していくことで、認知行動療法の更なるエビデンス構築、新たな保険収載などにつながっていくことを期待しています。

ご支援について

脳機能を解明するためにはMRIなどの画像検査が非常に重要ですが、検査にかかる料金は非常に高額で、私たち研究室の研究費だけでカバーしきることが難しく、研究に参加できる人が限られてしまういう課題があります。私の研究分野ではAIのような人工知能を搭載した解析システムの開発も求められており膨大な開発費用を要しております。子ども達のため、薬に頼らない新しい医療や検査方法を開発し、より多くの子ども達に効果的な治療を提供できるよう、研究者として頑張っていきたいと考えております。

皆様のお力添えの程、何卒宜しくお願い申し上げます。

このプロジェクトを支援する方法

このプロジェクトをご支援頂けます場合は、お申し込み時に「子どものこころの発達教育研究センター or 平野 好幸」とお申込フォームまたは専用払込用紙にご入力・ご記入ください。

ページの先頭へ