- 千葉大学真菌医学研究センター
センター長 - 笹川 千尋
支援プロジェクト目標金額
10,000,000円
- ご寄付の特典
- 本プロジェクトへのご寄付には千葉大みらい医療基金の寄付特典が適用されます。
本基金へのご寄付には、税法上の優遇措置が適用されます。個人では(所得控除) / 法人では(全額が損金算入)
10,000,000円
本基金へのご寄付には、税法上の優遇措置が適用されます。個人では(所得控除) / 法人では(全額が損金算入)
人類存続に対する「三大脅威」とされるのが戦争・災害・感染症です。現在我々人類は、ウクライナ戦争、大型台風や巨大地震、新型コロナウイルス感染症とその全ての脅威に直面しています。特に我が国において常に懸念されるのが自然災害であり、それに伴う食・住環境の悪化による真菌症や新型コロナウイルスをはじめとした未知のウイルス感染症は、拡大の予測がつかないうえに可視化も難しく、喫緊の対策が望まれています。この手強い「見えない敵」のメカニズムを解明し、対処の緒を掴もうと果敢に挑むことが我々千葉大学真菌医学研究センターのミッションです。超高齢社会の到来により、癌や高度医療に伴う日和見感染症に加え、生活習慣病や呼吸器病の増大とそれに伴う難治性真菌症も増加し、近年真菌感染症の脅威は社会的にも大きくクローズアップされています。
また、多剤耐性細菌のグローバルな増加と拡散は依然大きな脅威となっていますが、この状況は真菌においても深刻な問題となっており、今後も我が国の病原真菌、感染症、免疫の分野で先導的な役割を果す所存でおります。しかし、今後起こり得る感染症や真菌症の研究に関する研究費は潤沢とは言い難く、感染症、真菌症メカニズムの解明による新しい創薬、治療開発には国民の皆様の御篤志によるご支援が必要です。
是非とも皆様のご支援とご高配を何卒宜しくお願い申し上げます。
真菌医学研究センターでは現在、真菌、細菌、ウイルスの3種類を扱い、5つの分野で8 つのプロジェクト研究が進んでいます。また、2つの臨床系の分野では医学部附属病院の感染制御部と連携をして、国内唯一の真菌症専門外来や小児感染症などの臨床活動を行っています。特に千葉大学真菌医学研究センターでは病原性のカビを最も多く保存しています。日本の多くの研究機関では有用なカビを中心に保存、研究しており、千葉大学は病原性のあるものを中心に集めていることが特徴です。
また、真菌医学研究センターでは、学内唯一のバイオセーフティーレベル3(BSL3)の実験施設を備えており、人間に重篤な病気をもたらす病原体(高病原性インフルエンザ、SARS、MARS、結核、ペストなど)の物理的封じ込めが行える実験施設です。真菌は自力で増えますが、ウイルスは細胞に感染させて増やす必要があり、細胞をこの施設で培養して研究を行います。
自然災害と真菌症といいますと、ちょっと突飛な組み合わせに聞こえるかもしれません。
近年世界各地での大規模自然災害発生が報道されています。洪水や土砂崩れなどは従来の自然環境を大きく変え、環境中の生物に大きな影響を与える可能性があります。真菌は土壌や水の中に生息している微生物ですので、同じように災害に伴ってその分布を大きく変える可能性が指摘されています。我が国においても2011 年の東日本大震災に伴う津波の後に被災者に発症した感染症の一部は、当センターも含めた調査の結果スケドスポリウム症という稀な真菌症であることが判明しております。この病気の原因となる真菌は通常湖沼などの環境中の水に生息しています。感染力が強いとはいえない真菌ですが、津波によりこの真菌を多数吸い込んだこと、被災後の様々な要因により抵抗力が低下していたことなどで、感染が多発してしまったものと思われます。
災害というとこれまでは直接的な怪我などの急性期における救命救急が着目されてきましたが、2019 年に千葉県を中心に甚大な被害が発生した台風15号、19号により、対策されていなかった移行期・慢性期の課題が浮き彫りとなりました。被災地の劣悪な生活環境によって生じる日和見感染症や、水で濡れた自宅での生活によって生じるカビによる真菌症が大きな問題になりました。いずれも普段は病原性を発揮しないはずの病原体が、災害という劣悪な生活環境で抵抗力の弱った宿主に対して病原性を発揮し、引き起こす感染症です。このような災害以降期、慢性期の対策は我が国では十分に練られてきていないため、日本唯一の研究拠点として患者さんから分離された病原真菌の収集、病原真菌の病原性、薬剤耐性に関する研究を進め、災害にも備えていきたいと考えております。
我が国では超高齢社会の到来により、癌や高度医療に伴う日和見感染症に加え、生活習慣病や呼吸器病の増大とそれに伴う難治性真菌症も増加し、近年真菌感染症の脅威は社会的にも大きくクローズアップされています。また、多剤耐性細菌のグローバルな増加と拡散は依然大きな脅威となっていますが、この状況は真菌においても深刻な問題となっています。さらに経済のグローバリゼーションと国際旅客数の増加により、高度病原真菌をはじめとするさまざまな高度病原微生物による輸入感染症の脅威にも曝されています。更に2020年からの新型コロナウイルス感染症のパンデミックを更に事態を複雑化・長期化させており、感染症に対する抜本的な対策や国民全体の正しい理解を啓発していく必要が喫緊の課題となっております。このような状況を踏まえ、本センターでは、これまでの基礎研究活動に加えて、臨床との連携、研究の国際化そして市民への正しい情報提供を推進していきます。
しかし、研究開発を進めるのは国立大学として国からの競争的資金に依存していては研究成果の社会実装には膨大な時間を要します。そのため、速やかに国民の皆様へ治療を届けするためには国民の皆様と協力し、自立することが強く求められております。
皆様からのご支援を活用し、国民の皆様の安心で安全な生活を実現・維持できるよう努力して参ります。
このプロジェクトをご支援頂けます場合は、お申し込み時に「真菌医学研究センターを支援」とお申込フォームまたは専用払込用紙にご入力・ご記入ください。